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小さな映画館 第164幕

「ターミネーター」

「羊たちの沈黙」

「呪怨」

「ハイヒールを履いた女」

「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」

 

「ターミネーター」

アーノルド・シュワルツェネッガー マイケル・ビーン リンダ・ハミルトン主演 ジェームズ・キャメロン監督

 

【あらすじ】

サラ・コナーという女性が相次いで殺される事件が起きていた。同姓同名の女性が殺されていることに関心があったサラ・コナー。そんな彼女のもとに屈強な男が銃を向けてきた。間一髪のところで彼女を助けたのはカイルという男だった。彼は未来から来ていて、サラの未来の息子ジョン・コナーの指示によって彼女を護るためにやってきた。

 

【感想】

ターミネーターって地上波でやるのは「ターミネーター2」のほうが多いんですよね。、だからなのかターミネーター、アーノルド・シュワルツェネッガー=味方という図式ができてしまっているんですよね。

だけど一番最初であり、重要なこの映画ではシュワちゃん演じるターミネーターはむしろ悪役として登場します。

 

本作のサラ・コナーは彼女自身は言うように、いたって平凡な女性です。

ターミネーターに追われ、カイルとともに行動することによって徐々に逞しくなっていきます。

結局のところカイルはジョンの父親だったわけですが、その愛が彼女ののちの原動力になるんですよね。

 

それにしても1作目のターミネーターは怖い。

2作目ではどこか愛嬌があるんですけど、敵ということもあってか、どこまでも追っかけてくる様子は見ていてハラハラします。

 

「羊たちの沈黙」

アンソニー・ホプキンス ジョディ・フォスター主演 ジョナサン・デミ監督

 

【あらすじ】

アメリカ各地で若い女性が殺害され、皮膚が剥がされるという連続猟奇殺人事件が発生していた。逃走中の犯人はバッファロー・ビルと呼ばれる。

FBIアカデミーの実習生クラリス・スターリングは行動科学科のクロフォード主任捜査官からある任務を課せられる。彼はバッファロー・ビル事件を追っており、元精神科医の囚人ハンニバル・レクターへの協力を求めていたが、彼はそれを拒否していた。代わりにクラリスが彼に助言を求めるためにボルティモア州立精神病院へと向かう。

 

【感想】

なぜか小学校の頃、この映画のビデオを買ったんですよ。思えばおかしな小学生だったんだなー。

 

だからこそアンソニー・ホプキンスのイメージってレクター博士の印象なんですよね。どんなに善人役をやっていても。

それくらい強烈なキャラクターなんです。

だけどレクターの魅力って、その狂気さではなく、冷静さと頭脳明晰な部分ですよね。

人を警戒させながらも、どこか彼に誘われてつい口が滑ってしまうような危うさがあるんです。

 

そしてクラリスを演じるジョディ・フォスターは綺麗ですねー。

 

事件こそ異常犯罪で、サイコパス的なものなんですけども、この映画はレクター博士の印象がとにかく強烈。

彼がクラリスに興味を示し、彼女の過去と引き換えに情報を交換するという不思議な関係が結ばれるんです。

脱獄したあと、レクターの情報をもとに犯人を逮捕するわけです。

 

結局はレクター博士においてクラリスはひとりの患者でもあるんですよね。

幼い頃に羊の屠殺された時の声を聴き、それがトラウマになっていたんですけど、犯人を逮捕することで自分も救われると考えていたんですね、

そこをレクター博士は見抜いていた。

 

ここからシリーズ化していくわけです。

 

「呪怨」

奥菜恵 伊東美咲 上原美佐主演 清水祟監督

 

【あらすじ】

福祉センターでボランティアをしている理佳は、無断欠勤している社員の代わりに徳永家のヘルパーを押し付けられる。汚れた布団に横たわる老婆を見て愕然とし、家の2階に閉じ込められていた俊雄という子どもの存在と、いつまでも帰ってこない家族に違和感を感じる…。

 

【感想】

「リング」と並びジャパニーズ・ホラーの定番ですね。元々はビデオ版があり、そちらもかなり好評だったようですが、世間一般にはこちらの映画作品が有名ですよね。

正直リアルタイムでこの映画観たんですけど、とにかく刺激が強すぎて(苦笑)

今観るとパロディ化された俊雄くんや伽椰子を観てから、ある意味コメディチックにも見えます。

 

もうね、ベッドの中に出てくるとか反則ですよ。ホラー映画観たあと、みんなが隠れる場所ですよ!!

でもやっぱり怖いですね。

何よりもあの目力ですよ。

恨みが半端ない。

 

逃げられない恐怖がこの呪怨にはあるんですよ。

 

「ハイヒールを履いた女」

シャーロット・ランプリング ガブリエル・バーン主演 バーナビー・サウスコム監督

 

【あらすじ】

かつて結婚に失敗した独身のアンナは、娘にすすめられたお見合いパーティーでジョージという男性に出会う。すっかり意気投合して一夜を明かすが、翌朝彼は死体となって発見された。事件を担当したバーニー警部は現場で出会ったアンナが気になり尾行を始めるが…。

 

【感想】

うーん、ストーリーというかトリックにもうひとひねりあればなー。

アンナは孫を不注意で死なしてしまい、夫とも離婚していたことから精神的におかしくなってしまい、記憶障害を患っている女性です。

それだけです。それがすべてです。

ミステリーというよりも、シャーロット・ランプリング演じるアンナの危うさみたいなものが魅力の映画ですね。

それも若い女優ではなく、あえて中年の女性が演じることで説得力が増しています。

 

まあジョージの行為もあまりにも乱暴で、正当防衛が立証できるかは微妙ですけど、精神鑑定にまわされて、刑はそこまで重くないでしょうね。

 

「ハングオーバー!消えた花ムコと最悪の二日酔い」

ブラッドリー・クーパー ザック・ガリフィアナキス主演 トッド・フィリップス監督

 

【あらすじ】

2日後に結婚を控えたダグと彼の親友のフィル、スチュ、そして義弟のアランはスイートルームをとり、立ち入り禁止の屋上で酒を煽る。

翌朝彼らが起きると、そこには虎がいて、見知らぬ赤ん坊までいた。いないダグをさがすために、持ち物からヒントを得て記憶をたどっていくことに。

 

【感想】

マイク・タイソンの家から虎を盗むって、すげえ…。

 

まあ羽目を外したくなる気持ちってわからなくないです。

そうした理性のふたを外してくれるのが、アルコールという最高にして最悪の友人です。

とにかくハチャメチャで、よくもまあ虎なんか盗めたな、と(笑)

その後もパトカーを盗んで、子どもたちの講習だけで済むんですから、やさしい(笑)

 

お馬鹿映画だけど、なんか、さすがアメリカって感じ(笑)

author:トモヤムクン, category:-, 17:00
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小さな映画館 第163幕

「太陽を盗んだ男」

「ダーウィンの悪夢」

「ある愛の詩」

「教授のおかしな妄想殺人」

「ONE PIECE FILM GOLD」

 

「太陽を盗んだ男」

沢田研二 菅原文太 池上季実子主演 長谷川和彦監督

 

【あらすじ】

数学の理科教師である誠は、原子力発電所から液体プルトニウムを強奪し、アパートの自室でハンドメイドの原爆を完成させた。そしてプルトニウムの欠片を仕込んだダミーの原爆を国会議事堂に置き去り、日本政府を脅迫する。

誠が交渉の相手として選んだのは、以前ハイジャック事件で出くわした山下警部だった。

 

【感想】

ローリング・ストーンズの公演が中止になったら、そりゃ暴動起きるよね(真顔)

 

日本映画でも屈しのアクション映画になっています。

とにかく昔は演出も派手で、規制も緩く、カーアクションや爆破演出は海外の映画に引けを取りません。

 

誠は特にこれといって夢も目標もない教師です。この前見たウディ・アレンの「教授のおかしな妄想殺人」と同じで、空っぽな自分の欲望を産めるために大きな計画に酔っていきます。

最初の要求はナイターの延長、次の要求はローリング・ストーンズを来日させること(初来日は中止だった)という、まるで愉快犯です。

自分が持っている原爆はすべてを変えることができるとわかった誠は、ある意味で大きな遊びに興奮している様子です。

退屈な日常に原爆という非現実的なものを持ち込むことによって、日常を変えていきます。

 

ラジオのDJもそうですよね。相手が犯人だと知りながらも、そのスリリングな様子を楽しんでいます。

高度経済成長の中、誰もが退屈していたんです。

だからこそそうしたスリリングを求めていた。

時代は変わったんですよね。

最初の右翼のように、天皇に会いたいと言っていた男も、時代に置いていかれた人間です。

天皇という存在が、彼の中にあるものと、現実のすり合わせができなくなっていったんです。

 

「太陽」というのは原爆の暗喩でもあり、日本のことでもあります。

原爆ひとつで、日本は終わってしまうんです。

それもプルトニウムさえ手に入れれば、誰にだって作ることができてしまう恐怖というものがあります。

それくらい恐ろしいものと共存しつつ、そのおかげで繁栄しているという醜い現実があります。

 

最後は組織の犬と罵られながらも、自分の職務を全うする山下は誠を止めようとしました。

正直、山下不死身すぎる(笑)

 

結局誠は生き残り、爆破する30分がたったところで、不気味な音とともに映画は終わりました。

一度だけ誠はプールでプルトニウムを巻いたらどうなるか、という想像をしました。

その中で自分も死んでいる姿が思い浮かんだんですよね。

山下も「おまえが殺したいのはおまえ自身だ」と指摘していました。

そう結局はこうした退屈な世界を壊すというのは、自分を殺すことで叶うんです。

そこで人を巻き込むべきではないんですよね。

 

日本人は何気なく生きています。何気なく生きられるって幸せなんです。

だけど何気ない日常の隣には、人知れない恐ろしいものがあることを認識しないといけません。

 

「ダーウィンの悪夢」

フーベルト・ザウパー監督

 

【あらすじ】

東アフリカのビクトリア湖では本来いなかった外来魚ナイルパーチの繁殖によって、他の魚たちが絶滅の危機に陥っていた。しかし欧州やアフリカの会議では誰も反応をしない。それはナイルパーチが国を豊かにしていると公言しているからだった。一方で職にもありつけず、売春をする女性たちや、エイズで亡くなった人たち、そして貧困で路上で暮らす子どもたちの実態があった。

 

【感想】

これはドキュメンタリー作品です。

 

例えば日本のスーパーに行ったとき、魚売り場へ行くと、いくつか外国産の魚を見ますよね。それもすでに珍しくない状態です。

100円寿司の殆どが海外産でしょうし、養殖ものでしょう。

だけど僕たちはそれらがどういった経緯で入ってきたのか、なんて疑問にも思わないんじゃないでしょうか。

 

この作品はナイルパーチという肉食魚を中心とした、グローバリズム経済の矛盾と善悪を映しています。

ナイルパーチは非常に大きな魚だから、その身は大量にとれます。

しかしそれが地元の人々に配給されるのではありません。

ヨーロッパやロシア、そして日本に運ばれるんです。

では地元の人たちはどうするか?残った残骸を食べます。それも身はほとんどなく、頭と尾と骨くらいなものです。

それを干物にしたりするんですけど、虫が湧いたり、死体からメタンガスが噴出し、体を壊し、中には眼球がとれてしまった女性もいました。

 

貧困の子どもたちは売春をしたりしないと稼げません。他の人々はそれを咎めるのではなく、そういう環境だから仕方ないと諦めている状態です。

人が次々と死んでいく。

だけど埋葬するだけのお金がない。

当たり前のように人が死んでいく日常なんです。

 

それじゃあこのアフリカで誰が利益を得ているのか?一部の富裕層と、欧州や日本などの国々です。

確かにナイルパーチを買い取ることによってその国にお金が入ります。しかしそれは一部の人間の懐に入るだけなんです。

そうやって富が独占されていくと、貧困はどんどん悪循環していきます。

 

貧困層が「戦争を望んでいる」と語っていました。

それは「金になる」からです。

そしてその希望を叶えるように、ヨーロッパから運ばれてくる飛行機には武器が入っています。誰もが見て観ぬふりをするんです。

兵隊に入ればお金が手に入る。そして武器を売った会社にもお金が入っていくんです。

これが今のグローバル経済の闇です。

 

国家間の貿易はさも素晴らしいように説きますが、必ずどこかの誰かが犠牲にならないといけないんです。

そして儲けていくのはごく一部のは上場企業だけです。

 

序盤で「人類発祥の地アフリカ」というテロップが出ます。

人類発祥の地でありながら、人権や命は軽く扱われ、グローバル産業の食い物になっている現状があるのです。

しかしこのグローバルの波はなかなか止めることができませんし、そうした経済の循環ある以上、どこの企業も手放そうとしないでしょう。

日本という国が恵まれているのは事実です。それでも最近では格差が出てきました。

それでも衣食住が賄えるんだから、マシだろう、なんて意見もでます。

当然アフリカに比べて日本という恵まれた豊かな国です。

だけどそんな豊かな国でも貧困層が出てくるというのは、ある意味で異常でもあるんです。

平等な社会はないにしても、誰もが利己的に利益を追求するようになりました。

 

この映画はある側面を撮った映画です。

だけどもそれは事実なんです。

 

「ある愛の詩」

ライアン・オニール アリ・マッグロー主演 アーサー・ヒラー監督

 

【あらすじ】

裕福で代々ハーバード大学出身という一族に生まれたオリバーは、庶民の出でラドクリフ大学に通うジェニファーに恋をする。オリバーは父親の反対を押し切り彼女と結婚するが、ジェニファーは白血病と診断されてしまう。

 

【感想】

大富豪という肩書を嫌だと感じていたオリバーと対照的に庶民でカトリック系の家の出身のジェニファーの恋の物語です。

すごくシンプルで淡々としているんですけど、真っ白な雪のようにふたりの純粋な愛情が輝いて見えます。

 

序盤からジェニファーの死を視聴者に知らされます。

ふたりの出会いはドラマチックなものでもなく、いたって普通なんです。

ふたりはいっしょになるために、互いの夢や肩書を捨てて、ささやかな幸せを大事にします。

「あなたといれば夢もパリもいらない」

 

そして注目すべきはふたりの父親ですね。

片方はカトリック教徒でクッキーを焼いている男。

もう片方は大富豪です。

だけどどっちも子どものことを思う気持ちは強いんですよね。

ここに嫌味がなくてよかったです。

 

音楽も相まってこの映画は素晴らしく彩られていきます。

「愛とは決して後悔しないことです」

 

「教授のおかしな妄想殺人」

ホアキン・フェニックス エマ・ストーン主演 ウディ・アレン監督

 

【あらすじ】

哲学科へ赴任してきたエイブは変人であった。学生のジルは彼に恋をするが、エイブは満たされない日々を過ごしていた。そんなある日エイブは悪徳判事の話を聞き、完全犯罪を思いつき、人生の充実感を味わう。

 

【感想】

コメディ、というよりはウディ・アレンらしいブラック・コメディです。

 

人生の充実とは何か。

目的があると人間はその方向へ一生懸命走りますよね。

だけどそこにゴールがないマラソンがあったとしたらどうでしょう?一体何のために走り続けるのか。一体誰のために走り続けるのか。いつまで続くのか。なぜ息苦しいんだろうか。

そう目的のない人生というのはどこにも行けない状況と同じです。

 

エイブは哲学者らしく、考えすぎと妻の浮気が原因で埋められない空白感を抱いていました。

学生のジルはインテリで変人でうつ病気味のエイブに惹かれていきます。自分が彼を救いたいという願望でしょう。

そこに現実逃避をしたい女性も絡んでくるわけです。

 

エイブはロシアン・ルーレットをしてみせるほど、死に対して恐怖も不安もありませんでした。

しかしある日悪徳判事をやっつける、という「正義」という目的を見出します。

最初こそ完璧にいき、人生の充実感を味わうんですけど、これが司法解剖にまわされ毒殺だと判明すると、急に立場が危うくなりました。

するとエイブは焦っていくんです。

あんなに死を拒まなかったエイブが、自分の殺人を知っているジルを殺してでも生きたい、という欲求に突き動かされるんです。

皮肉な話です。

 

最終的には自分が死んでしまうわけですけど、ジルはいろいろ人生について学び、そこで物語は終わります。

 

 

「ONE PIECE FILM GOLD」

田中真弓 山路和弘 満島ひかり主演 宮元宏彰監督

 

【あらすじ】

麦わらの一味は世界最大のエンターテインメントシティ「グラン・テゾーロ」へたどり着く。世界中の名だたる海賊、海兵、大富豪が集う世界政府公認の「独立国家」であった。

ルフィたちは賞金を勝ち取るが、それはすべてテゾーロの罠だった。

 

【感想】

前作からでしょうか、きちんとラスボスにも背景があるのは。

 

今作は王道なストーリーでありながら、ファンサービスのようにロブ・ルッチ、スパンダムや革命軍のサボも登場します。

相変わらず麦わらの一味は序盤罠にはめられるんですけど、今作の良かった点は、実はナミたちのほうが一枚上手だったという展開ですね。

 

ただ新世界に入ってからルフィって動かしにくいキャラだと思うんです。

修行の果てに覇王色まで身に着けたわけですから、やすやすと負けられないキャラになってるんですよね。

だから敵の設定って難しいですよね。

 

結構尾田さんの考えは海賊や海軍、革命軍が悪として描くんじゃなく、天竜人こそ悪として描いているんです。

彼らのつくった秩序、支配、権力。

これらを打倒することこそがワンピースですね。

今回のテゾーロも天竜人の犠牲者でもあります。

歪んだ性格になったのも、自身の力の無力さと、金という支配力があったからこそです。

 

本当にワンピースは娯楽作品として、子どもも大人も楽しめます。

author:トモヤムクン, category:-, 14:39
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小さな映画館 第162幕

「国際市場で逢いましょう」

「ピッチ・パーフェクト」

「人生はビギナーズ」

「予告犯」

「オンリー・ゴッド」

 

「国際市場で逢いましょう」

ファン・ジョンミン キム・ユンジン主演 ユン・ジェギュン監督

 

【あらすじ】

朝鮮戦争時代の1950年代、興南から撤退しようとしていたドクスとその一家は、父と妹と離れ離れになってしまう。長男のドクスは「おまえが家長になるんだ。家長はなにより家族優先だ」という父親の言葉を守り続け、ドイツへ出稼ぎに行き、時にはベトナムへ赴く。

 

【感想】

韓国は儒教の国だとよく言われます。日本だって儒教的価値観がありますよね。父親と長男という家長の権限は絶対でした。だけどその代わり父も長男も、家族のために汗水たらして働いて護るんです。

 

この映画は韓国で大ヒットしたらしく、国民的な映画だそうです。

確かに観た後だとそれも納得できます。

朝鮮戦争という韓国の悲惨な歴史から始まるんですから。

妹の手を放してしまったことをずっと後悔し続けたドクスは家長として家族を護ると誓います。

 

朝鮮戦争、ドイツの炭鉱、ベトナム戦争といろいろ悲惨な目に遭っていくんですけど、この映画は決して暗い色彩で描かれているわけではありません。

時にはユーモアを混ぜているので、重たくならずに観られるんです。

 

ドクスの持ち前の明るさと家族を想う気持ちは父親の分まで合わせて二倍でした。

弟には勉強をさせ、自分は炭鉱で出稼ぎ。

つねに家族のことを優先して行動しています。だけど弱音一つはきません。

 

ドイツで出会った女性と結婚し、子どもも生まれ、家族がどんどん増えていきます。

そしてまた資金難になると、ベトナムの戦地へ赴きます。

それもすべて家族のためです。

ヨンジュは責めるわけです。もう十分尽くしたと。

だけどドクスは意地のようにベトナムへ行きます。

そこでは幼い頃の朝鮮戦争の時のような状況がありました。

そこでもまた死にかけるんですけども、足を犠牲にして韓国へ戻りました。

 

ドクスがベトナムで書いた手紙が印象的ですね。

「辛い悲しみを背負った時代が自分たちでよかった。こんな思いを子どもたちの世代が背負うと思うと耐えられない」

この言葉がドクスのすべてといってもいいかもしれませんし、何より韓国の大人たちの想いなのかもしれません。

今南北朝鮮が再び融和にいこうとしていますよね。

我々からすれば、まるで弱腰だ、なんて思う人もいると思います。

だけど彼らには朝鮮戦争という悲惨な歴史があるからこそ、二度と繰り返したくないという思いは理解できます。

 

そしてきちんとこの映画には終盤にドラマを持ってきました。

朝鮮戦争で生き別れた人たちを再会させる番組ができたわけです。

そしてドクスは生き別れた妹と再会したんです。

彼女はずっと英語で育ってきましたが、兄との再会で無意識にでしょう、昔の朝鮮語がすらすらと感情とともに出てきました。

 

そして孫たちに囲まれたドクスは、ひとり部屋で号泣します。

もう僕もここで涙腺決壊ですよ。

今まで大きなものを背負ってきたわけですから。

大きなものを背負い、その荷を少しずつおろしていく。

そして自分の遺した血がどんどん続いていくんです。

こんな幸せなことはありません。

 

韓国で大ヒットした理由がわかります。

韓国人の根っこにあるものを表現したような映画なんですから。

 

「ピッチ・パーフェクト」

アナ・ケンドリック主演 ジェイソン・ムーア監督

 

【あらすじ】

音楽プロデューサーを夢見るベッカは、父親が教授を勤める大学へ入学する。ある日ベッカがシャワールームで鼻歌をうたっていると、たまたま聴いていたクロエが彼女をアカペラグループ「バーデン・ベラーズ」に勧誘する。最初は乗り気じゃなかった彼女だが…。

 

【感想】

 

正直、何割かの人も間違ったと思う。

ビッチ・パーフェクトだって。

 

昔は「天使にラブソングを」、最近で言えば「GLEE」なんかが人気を博しましたよね。

このふたつの物語の楽しいところを凝縮したような映画になっています。

 

ストーリーはすごくシンプルだし、キャラクターは濃いし、結構今時の要素もいれつつ楽しめます。

ベッカは日本人でも共感できるような、ひとりでいることが大好きな女の子です。

その女の子が仲間を通して、ひとり以外の楽しみ方を見つけていくストーリーですね。

正直ベッカが歌がうまい、という設定がイマイチいかしきれていなくて、どちらかといえば彼女のアイディアや発案する能力のほうが目立ちました。

 

個人的には太っちょ(Fat)エイミーのキャラクターもいいんですけど、謎のアジア人リリーが魅力的なんですよね(笑)

言うことが猟奇的だったり、謎の集団の中にいたりと、不思議過ぎて。

 

最近の映画らしく女性グループとはいえ、人種も様々です。中にはレズビアンの子もいます。ここら辺はリベラル的なアメリカならではですね。

 

そしてルーム・メイトの韓国人の子。

正直この1作目の映画だけじゃ、彼女はどんな存在かわかりにくいかもしれませんけど、彼女は韓国人グループに属していましたよね?

彼女はつまりベッカと同じく孤独な女性です。

他の国の人たちと馴染めず、同じ韓国人とじゃないと話せないんです。

本当はこの1作目で彼女の殻が破れれば、また良かったんですけどね。

 

「人生はビギナーズ」

ユアン・マクレガー クリストファー・プラマー メラニー・ロラン主演 マイク・ミルズ監督

 

【あらすじ】

奥手で独身のオリヴァーは、母が亡くなってから5年後、父ハルから突然自分がゲイだとカミングアウトされる。父は新しい恋人や友人たちとの人生を楽しみ始めた。しかしその矢先にがんを宣告される。

父が亡くなってからオリヴァーはパーティでフランス人女優のアナと出会う。

 

【感想】

未来のことなんてわからない。失敗するかもしれない。だけどみんな人生のビギナーなんです。

 

この映画はアート的でありながら、全然難解な映画ではありません。

人間の普遍性を描いたような映画でもあります。

ずっと自分がゲイだと悩んできた父と、何をやってもうまくいかないんじゃないか、と考えてしまう息子。

そして父の悩みを少しでも分かち合おうとした母。

不安定でオリヴァーと同じ喪失感のある恋人。

 

オリヴァーは父のカミングアウトに混乱してしまうわけです。

もしも自分の父親が「ゲイ」だと知った時、つまり女性に対する興味がないのに、なんで母と結婚したんだ、と思いますよね。

それって母も愛してなくて、自分も望まれてなかったんじゃないか、って。

そこがオリヴァーの悩みどころだったと思います。

はっきりとした愛が確信できない。

 

恋人のアナも同じです。父との間に愛憎が入り混じり、家を転々としている。つまり不安定な女性です。

そこにヤドリギのようなオリヴァーと出会いました。

ふたりで空っぽを埋めていくように、愛し合いますが、不器用なふたりは自信がもてませんでした。

 

だけどオリヴァーは最後に「待つ」のではなく、自分で「迎えに行く」という行動に出ました。

そう彼はようやく、内向的な世界から自分の人生を生きようと決意したんです。

アナとの関係は修復しましたけど、正直このカップルが結婚できるかどうかはわかりません。別れるかもしれません。だけどそれを含めての人生です。

父がゲイをカミングアウトして行動し、悔いなく天国へいったように、行動しなければ何も始まりません。

 

それにしてもアナ役のメラニー・ロランは可愛いですね。同時に美しくもあります。

 

「予告犯」

生田斗真 戸田恵梨香主演 中村義洋監督

 

【あらすじ】

ある日動画サイトに新聞紙をかぶった男が某食品加工会社に放火をすると予告した。彼らはネット上でシンブンシと呼ばれるようになる。警視庁のネット犯罪の対策部署にいる吉野は彼らの犯罪を追う。

 

【感想】

この映画にはいろいろな社会の問題がつまっています。

日本の格差社会と貧困化、そしてネットリテラシー。

最近日本は好景気だって言いますよね。

だけど多くの庶民は実感できていないのが現状です。実質賃金も上がっているわけではありません。

貧困の子どもたちが増えていき、社会的弱者という立場の人たちが増えてきました。

だけど多くの富裕層の人たちは彼らを「自己責任」として手を差し伸べようとはしません。

 

奥田のやったことは決して社会的には許されることではないでしょう。

だけどこれは善と悪で割り切れる問題ではありません。

奥田は確かに犯罪を犯しました。

しかし彼には彼の守りたかったものがあったんです。

 

両親のいない家庭で育ち、派遣社員として血の吐く思いで働きながらも、まるで非人間的な扱いを受け、ネットもまた非人道的なコメントで覆いつくされる。

まるで社会全体が病んでいるようで、奥田が悪いのか社会が病んでいるのかぼんやりとしている状態です。

それでも一生懸命生きようとした時、フィリピン人と日本人のハーフの子と出会うんですね。

自分の腎臓を売ってまで、日本へ来たんですけど、まるで奴隷のような扱いを受け、最終的には死んでしまいます。

シンブンシのメンバーはそこから悪しきものの根絶やしにするのではなく、そうした現実があるということを知らせようと犯行に及びました。

 

貧困をばねに警視庁に勤めた吉野にとっては、当初彼らの犯行を甘えだと感じていました。

どんなに貧乏でも這い上がれる、と自身の経験談から言いました。

もちろんそういう人もいるんです。

だけどそうでない人もいる。

そうでない人は努力をしていないわけじゃない。

努力が不足しているわけでもない。

少しの褒美もないんです。

 

日本の社会の歪みを若者という視点とインターネットというコンテンツを使って表現したのは良かったですね。

ただ、あれだけの団結力があった4人なんですから、奥田だけが死に、自分たちは生かされたと知ったわけです。

彼らの後味は決してよくはないはずです。

ここら辺にもうちょっと説得力がほしかったですね。

 

「オンリー・ゴッド」

ライアン・コズリング主演 ニコラス・ウィンディング・レフン監督

 

【あらすじ】

バンコクに住むアメリカ人のジュリアンは家族で麻薬組織を運営していた。ある日兄が殺されてしまい、そのかたき討ちを母親から命令される。

 

【感想】

すっごいシュールな映画。

ライアン・コズリングよりも正直タイ人のチャンのほうが存在感があった。

背中から出す刃物で、悪人を無感情に殺していく様が。

かえってジュリアンたちのほうは、イマイチパッとしない。

 

ジュリアンは父を殺し、母も愛憎入り混じった状態。

兄ばかり贔屓されてたからなのか、そういう性格になっちゃってる。

だからこそ最後に自分が母の腹から産まれたことを確認するように、斬られた腹の中を素手で触るわけです。

チャンの娘を殺さなかったのも、やはり人の子であるジュリアンの情だったのかもしれません。

 

ただ、人を選ぶ映画だと思います。

author:トモヤムクン, category:-, 14:17
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小さな映画館 第161幕

「バッドボーイズ」

「カエル少年失踪殺人事件」

「クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的」

「ヤング・アダルト・ニューヨーク」

「カイジ2 人生奪回ゲーム」

 

「バッドボーイズ」

ウィル・スミス マーティン・ローレンス主演 マイケル・ベイ監督

 

【あらすじ】

マイアミ署で押収されていて1億ドルにもなる麻薬が何者かによって盗まれる。内部に内通者がいるとして、マーカスとマイクは操作に。ある時事件の現場を目撃し、追われている女性ジュリーと出会う。

 

【感想】

コミカル、かつアクションが派手。

この映画の醍醐味はマーカスとマイクの掛け合いでしょうね。

お互いの名前を交換せざるをえなかったりと始終ユーモアです。

 

だけど友情ものでもあり、ケンカしながらも息の合ったコンビネーションで事件を解決していくさまは見ものですよ。

ジュリーもなかなかのトラブルメーカーでおかしくもありますが、最後はなんだかハッピーエンド。

 

「カエル少年失踪殺人事件」

パク・ヨンウ リュ・スンリョン主演 イ・ギュマン監督

 

【あらすじ】

1991年、山のふもとの村で「カエルを捕まえにいく」と言って遊びにいった少年5人が忽然と姿を消した。特ダネを狙うMBS放送のカン・ジスンは、犯人像を求めて分析を行うファン教授、パク刑事たちは事件を追うが…。

 

【感想】

韓国の未解決事件のうち、これもまた闇が深い事件です。

ただね、この映画に出てくる人たち、被害者のかたたち以外の登場人物に感情移入がまったくできない。

まあテレビ局のジスンは序盤から特ダネのためならなんでもするような描写があったけど、それにしてもあの教授といい、誰もが身勝手な行動。

 

挙句の果てに被害者の家族を犯人に仕立てようとするんだから。

これがマスメディアと行動心理学者の欠点でもあります。

映し方によってバイアスがかかる。

警察も大学教授もマスメディアもみんな自分のメンツさえ立てればそれでいいんです。被害者のことなんて考えない。

 

だからこそ被害者の父親の「誰も生きているって言ってくれない」という言葉が胸にささりましたね。

そうなんです、みんな死んでいるものだと思ってるんです。

だけど親たちは違いますよね。生きていてほしいんです。

 

最後の最後でジスンは親になり、今度は被害者の立場になって考えるんですよね。

これはジスンにとっては教訓的な終わり方ですけど、あの男がじゃあ犯人か、っていう証拠もないし、この部分はフィクションなんでしょうか?

 

この映画の難点を言えばBGMがうるさい。

 

「クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的」

ブランカ・スアレス マリオ・カサス主演 アレックス・デ・ラ・イグレシア監督

 

【あらすじ】

スペイン・マドリードの交差点に店を構えるバル。いつものように常連たちで賑わう中、一発の銃声が聞こえる。バルにいた客が外に出た途端、銃撃されて殺されてしまう。バルに閉じ込められた客たちはパニックに陥るが…。

 

【感想】

結構サバイバルでミステリアスな映画なんですけど、どこかコミカルなんですよね。

基本的にはバルという店が舞台になっています。

「ミスト」のように人々は閉塞的な空間でパニックに陥り、ヒステリーになっていきます。

誰もが疑心暗鬼になっていきます。

 

そして一番狂気をはらんでいたのはずっとのけ者にされていたホームレスの男ですね。

理性的だったナチョも次第に狂気をはらんでいく様は見ものでした。

ただ彼も最後は自己犠牲を選んだんですよね。これがイスラエルとの違いです。

あのおばさんも最初は無様にでも生きようとしていましたが、最後は自己犠牲として自殺をします。

 

生き残ったエレナは排水溝から上がり、下着姿のままマドリードを歩きます。

中には彼女に上着を着せてくれる親切な人もいましたが、あとは無関心です。

道行く人々は知りません。彼女がどんな目にあったのか。

誰もがマドリードで火事があり、3人が死んだことしか知らないんです。

それ以外は葬られてしまったんです、彼女以外。

 

正直コミカルな部分をもっとなくして、シリアスな部分を強調すれば良かった気がします。そうすればもうちょっとこの映画のメッセージが伝わる気がしますね。

 

「ヤング・アダルト・ニューヨーク」

ベン・スティラー ナオミ・ワッツ アダム・ドライバー主演 ノア・バームバック監督

 

【あらすじ】

ドキュメンタリー映画監督のジョシュと妻のコーネリアは、子どもを持たず自由な生活を送っているつもりだったが、子どもが産まれたばかりの友人夫婦との間に溝ができてしまう。

ある日ジョシュを尊敬しているという若い男、ジェイミーとダービー夫妻と出会う。若い彼らのライフスタイルに影響を受けたジョシュとコーネリア。ふとしたきっかけでジョシュはジェイミーの映画製作の手伝いをすることに。

 

【感想】

ジェネレーション・ギャップって何歳くらいから感じるんでしょうね。

自分のスタイルを貫くことって大変なんです。自分のスタイルが実は自分が完璧だと思っていても、周囲との差がでてきたりましますから。

 

ジョシュは一作目の映画が評価されたことにより、次作に対するこだわりから迷走していました。

そこに現れたのがフレッシュな若者ジェイミーです。

風変りなライフスタイルの彼はジョシュを尊敬していると近づきながらも、裏ではしたたかに自分の野望のために着々と計画を練っていました。

 

ならジェイミーは悪か?と言われればそうではないんです。

彼は映画界で当然のことをしていたにすぎないんです。

それはコーネリアの父が問題視しなかったことと同じですね。

いい映画さえ撮ることができれば、真実はどうでもいいんです。

だけどジョシュはその真実にこだわってしまったわけです。

 

ジェイミーは悪びれずに自作自演の演出を言いますよね。そう彼には悪意がないんです。利用できると思ったものは利用する。ただ単純にそう考えているだけに過ぎないんです。

 

しかしジョシュのそうした純粋さを守ってくれる人がいました。それこそ愛妻のコーネリアです。

彼らは今まで通りの生活に戻り、養子をもらいに行こうとしますが、最後に幼子が起用にスマホを使いだすというブラックジョークのような終わり方です。

そう、育て方によってはジェイミーのような子にもなってしまうんです。

 

「カイジ2 人生奪回ゲーム」

藤原竜也 生瀬勝久 吉高由里子 香川照之主演 佐藤東弥監督

 

【あらすじ】

再び借金まみれになってしまったカイジ。彼は地下の人々のために10億円以上稼ぐことができるモンスターパチンコに挑むことに。

 

【感想】

吉高が可愛い。裏切っても可愛い。最後に金貸してくれたのも可愛い。

利根川マジ悪人。

適役マジ小物。

 

前作よりは面白かったです。

ただオリジナルゲーム「姫と奴隷」は微妙でしたねー。心理戦ではあったものの、あんまり面白みを感じなかった。

ただ今回はクズなカイジからちょっとかっこいい感じになっています。そこら辺の成長は見えました。

 

カイジはずっと大きなパチンコ台にむかっています。

そこらへんが前作の利根川との心理戦の緊迫感との違いですね。

カイジはなんでこんな熱い奴なのに、借金を返済しても繰り返すフリーターなのか。

 

今回正直味があったのは利根川ですね。香川照之さんの演技がさえわたっています。

伊勢谷友介もいい演技してるんですけど、敵としては微妙なんですよね。結構焦ったり、冷静さがないのが痛い。

だけどカイジたちと同じような境遇から這い上がったからこそ、という意地は見えたのはよかったです。

 

author:トモヤムクン, category:-, 16:49
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小さな映画館 第160幕

「メッセージ」

「ヘラクレス」

「エルム街の悪夢2 フレディの復讐」

「傷だらけの栄光」

「クライム・ヒート」

 

「メッセージ」

エイミー・アダムス ジェレミー・レナー主演 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

 

【あらすじ】

世界各地に謎の物体が飛来する。言語学者のルイーズ、物理学者のイアンたちは調査に赴く。

ルイーズはなんとか彼らとコミュニケーションをとろうとし、彼らの反応をもとに分析をするが…。

 

【感想】

一時期、この映画の広告が出たとたん「ばかうけ」だの「柿ピー」だのなんだのと言われていたのが懐かしいです(笑)

 

宇宙船の飛来というのは結構オーソドックスなんですけど、この映画に関しては怖いエイリアンがいるわけではありません(もちろん奇妙な生物はいましたけども)。

宇宙船は何もしてこないんですけど、いろんな国で大混乱が起き大パニックです。

そして中国は攻撃を仕掛ける準備を整える、という各国の足並みが乱れるというのはリアルですよね。

恐らく地球外生命体が現われたそうなるだろうな、と。

 

しかしルイーズは懸命に彼らとコンタクトをとりました。

そして明かされていくのは、彼女が見ていた回想は過去ではなく”未来”という衝撃なんです。

そうルイーズの未来には夫と別れ、娘と死に別れるという悲惨なものです。

しかしそれでもルイーズは自分の未来を受け入れ、中国に核戦争をやめるよう説得しました。

 

結局エイリアンたちの目的は3000年後の人類への恩返しのためでした。しかしそれがどういう理由でかはわかりません。

ただなぜこの時代に来たのか、というのは謎ですよね。

それはもしかしたら現代世界が最も人間にとって危うい時代だらなのかもしれません。

各国が各々目論みがあり、核でけん制し合う世の中。

核を使ってしまえば人類は滅んでしまいますからね。

 

エイリアンたちにとっては時間は流れるものではなく、そこに”ある”もので、人間のように過去形、現在形、未来形のかたちがないんです。

彼らが与えていった武器とは「言語」のことです。

意思の疎通が図れなければ、人間というのは仲たがいもしますし、誤解もします。

だからこそ中国との関係にも亀裂が入ってしまったわけです。

しかしひとつの文字を共有したことで、再び世界に平和が訪れました。

 

ルイーズは彼らが見せた未来を生きる決意をします。

確かにハンナは死んでしまうかもしれません。だけど愛するハンナに出会うこともできないんです。

 

インディペンデンス・デイみたいなのを期待したら肩透かしをくらうかもしれませんが、SF作品としては久々に濃厚な映画でした。

 

「ヘラクレス」

ドウェイン・ジョンソン主演 ブレット・ラトナー監督

 

【あらすじ】

神々の王ゼウスと人間の女との間に産まれたヘラクレスの伝説は人々の間に伝わっていた。ある時ヘラクレスはトラキアの国王に反乱軍から国を守ってほしいと頼まれるが…。

 

【感想】

ゼウスの子ヘラクレスとしてではなく、人間ヘラクレスが描かれた作品です。

とにかくドウェイン・ジョンソンの肉体美には注目ですよ。本当にギリシャ的な美しさです。

 

映画自体は悩める人間ヘラクレスが描かれています。

彼には苦楽を共にした仲間がいて、彼らは決してヘラクレスを裏切らないんです。

結局国王が裏切者であり、ヘラクレスは王女とその子を守ろうと、最後は人間以上の力を発揮し、実はやはり神の子なのじゃないか?と思わせるようなわざをみせて終わります。

 

下手に物語の邪魔をするような挿話が入らない分、一気に見られる映画です。

 

「エルム街の悪夢2 フレディの復讐」

ロバート・イングランド主演 ジャック・ショルダー監督

 

【あらすじ】

ジェシーは引っ越してきて以来悪夢にうなされていた。ある日ジェシーはかつてその家に住んでいたナンシーの日記を発見する。そこにはジェシーと同じくフレディという怪人に襲われる悪夢が書かれていた。

 

【感想】

結末は前作と同じだったのは少しがっかりしました。

あととりあえず炎の演出が目立ち、そこまでフレディが怖いという感じがありません。

なんというか神出鬼没な感じのほうがもっと恐怖が増すんですけど、割と目立っちゃってるもんだから、イマイチ恐怖感がない。

 

あと夢と現実がごちゃごちゃになってしまって、肝心のフレディの要素が薄れたのが残念。

 

「傷だらけの栄光」

ポール・ニューマン主演 ロバート・ワイズ監督

 

【あらすじ】

少年時代から盗みやケンカに明け暮れたロッキーは、少年院を脱走し、刑務所へ入れられてしまう。軍隊に入隊するが上官を殴って逃走し、金稼ぎとしてボクシングを始める。しかし軍法会議にかけられたロッキーは1年間の重労働を課せられる。出所後ボクシングのトレーニングを積み、プロボクサーとして躍進していくが…。

 

【感想】

ボクシングシーンよりも、彼の生い立ちや刑務所でのふるまいのシーンが多く、どちらかといえば彼がどれだけの人生を歩んだか、というのが焦点になっています。

元々ジェームズ・ディーンが主演をする予定だったらしいんですけど、ポール・ニューマンでも十分存在感が発揮できています。

 

ただ序盤のボクシングシーンが少ないことからロッキーがどれだけすごいか、っていうのはよくわからないんですよね。

もちろんケンカなんかから腕があるのは確かですけど。

終盤は八百長を持ち掛けられ、新聞社はロッキーをこき下ろし、精神的にまいってしまたところに、家族という支えがありチャンピオンになりました。

個人的には憎んでいたはずの父親に「チャンピオンになれ」と言われて、笑顔になったロッキーが印象的ですし、正直この映画の一番の見どころです。

 

最後のボクシングシーンは良かったですね。

王道といえば王道なんですけど、これが事実をもとにしていますからね。

 

人っていうのは人間関係や環境によって、支えられているんだな、と。

 

「クライム・ヒート」

トム・ハーディ ノオミ・ラパス主演 ミヒャエル・R・ロスカム監督

 

【あらすじ】

バーを営むボブとマーヴには、チェチェン・マフィアから大金を預かる銀行の顔があった。ある日その金が強盗に奪われてしまう。

 

【感想】

とにかくトム・ハーディがどんどん闇に落ちていく様子が見ものです。

捨て犬を拾い、健気に育てるボブはマーヴに裏切られ、さらには犬の飼い主に脅されるという、なんとも悲惨な状態なんですけども、最後の最後にボブは自身の決断を下します。

静かに男を撃ちぬいたボブの、なんともいえない虚ろで静かな瞳が印象的でした。

 

派手なアクション映画ではありません。

闇の商売をしている、一般人がどんどん悪に染まっていく様子をじわじわと描いています。

だけどボブ自身はそこまで変わっていないんです。

恐らく相変わらず犬を愛する男でしょう。

だけどやってしまった過去は変えられません。

 

なんとも言えない結末ですが、不思議と不快感はなかったです。

 

 

 

 

author:トモヤムクン, category:-, 11:39
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