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小さな映画館 第101幕

「ザ・ウォール」

「ドライヴ」

「フィフス・ウェイブ」

「悪魔を見た」

「ディパーテッド」

 

 

「ザ・ウォール」

ボブ・ゲルドフ主演 アラン・パーカー監督

 

【あらすじ】

少年ピンクは父親を戦場で亡くし、過保護な母のもとで育てられた。学校の教師は抑圧的で、ピンクは成長していくごとに、アイデンティティに悩み出す。

 

【感想】

ご存知、ピンク・フロイドの大傑作「The Wall」を映画化したものです。基本的にロジャー・ウォーターズの経験がもとになってはいますが、誰しもが感じる「壁」を題材にしています。では「壁」とは一体何なのか?これはメタファーでもあり、直接的な壁でもあります。人間は生まれて、「社会」というシステムの中に組み込まれ、「国家」の「一員」として教育を受けます。この時点から自己というのは、大きな壁に阻まれるのです。

主人公ピンクは成長する過程で必要な父親という「壁」を失います。それを埋めるように母親が擬似的な「壁」で彼を囲ってしまうのです。そして母のもとから離れると、今度は妻となる女性との関係を築きますが、ロック・スターとなって混乱してしまったピンクは自分自身の壁に阻まれます。そうこうしているうちに妻は別の男と浮気していまい、男は失意の中に落ちてしまいます。薬に手を出し、人生から逃れようとしますが、結局は壁の中からは抜け出せません。脳裏にあるのは「イノセント(純粋)」。頭の中にしか逃げ道がありませんでした。しかしロック・スターとなって再びショーを始めると、今度は観衆がまるでナチスの党員のように、熱狂していく姿を見ます。心や頭でさえ、支配されてしまったのです。

壁というのは人間を閉じ込め、狂気へと導くものです。壁は高く、固い。だからこその虚無感と無力感を味わい、壁の一部になろうとします。しかし時にはそれを破戒する力が必要なのです。

ロジャーはそうした手段を音楽に托しました。

それにしてもボブ・ゲルドフの演技は良かったですね。どんどん病んでいくさまは惹き付けられました。

 

「ドライヴ」

ライアン・コズリング キャリー・マリガン主演 ニコラス・ウィンディング・レフン監督作品

 

【あらすじ】

自動車修理工場で働き、時にスタントマンをこなす男。彼は犯罪の逃走の手助けをする仕事を請け負う、裏の顔をもっていた。ある日男はアパートの隣人の女性アイリーンに恋をする。しかし彼女は服役している夫を待っていた。そんな夫があるトラブルに巻き込まれ、男は力を貸すが、夫は死んでしまう。アイリーンたち家族を守るために、男は自ら仕事を始める。

 

【感想】

ひっさしぶりに痺れた!本当に乾いた空気感の大人な映画です。

主演はあの「ラ・ラ・ランド」で有名なライアン・コズリング。とにかく渋くて、クールでいいですねー。男の背景は殆ど語られないんですけど、どんなあくどいことをやっていても、仁義を守るようなタイプの、結構日本人が好きな主人公ですね。しかしそれでいて冷徹。相手の頭をかちわる様子は、さすがに一般人のアイリーンはどん引きで、これが彼と彼女の境界線を表していました。

あと何よりBGMがいいです。全体的には静かなんですけど、ここぞ、という時に盛大にかかります。それが映画の雰囲気をより良くしてるんです。

この映画にアクションを求めるのなら、ちょっとがっかりするかもしれません。孤独な男の命を懸けた仕事の話だと思えば違いますよ。彼が言った言葉、「一番に幸せだった」、これがあったからこそ、最後に男は生きる、もしくは死ぬ理由を見つけることができたんです。でも、最後はどうなったか、わからないまま「ドライヴ」して終わりましたよね?これもまた憎い演出です。

 

「フィフス・ウェイブ」

クロエ・グレース・モレッツ ニック・ロビンソン主演 J・ブレイクソン監督作品

 

【あらすじ】

異星人による4度にわたる攻撃により、地球は壊滅状態になる。キャシーは生き別れになってしまった弟サムを助けるべく、ひとり闘いを続けるが…。

 

【感想】

 

まあ、そりゃクロエと出会ったら、攻撃やめて、恋に落ちるよね…

 

異星人に勝てるのは「愛」だ!っていうか、ぶっちゃけSFというより恋愛映画だ!!三角関係の映画だ!

いや、まあ映像が綺麗なんで面白いっちゃ面白いけど、パート1のためか、説明不足で一体何と闘ってるのかが漠然としてる。もうちょっと謎や伏線みたいなものを残してくれてたらいいのに、と。

簡単に人類を滅ぼせそうな異星人がなぜに子どもを訓練するのか。ちょいと中途半端な設定。

以上!

 

 

「悪魔を見た」

イ・ビョンホン チェ・ミンシク主演 キム・ジウン監督作品

 

【あらすじ】

パンクしたためレッカー車を待っていた婚約者が何者かに無残に殺された。捜査官のスヒョンは男に復讐するため、残酷な方法で彼をいたぶる。

 

【感想】

孔子曰く「復讐の旅に出る前に墓穴を二つ掘れ」

バイオレンスとエロ。とにかくここら辺の映像は凄い。徹底的に猟奇的な映像で撮られています。

猟奇的殺人犯に対する憎悪が生み出した新たなるモンスターになってしまったスヒョン。とにかく犯人を追い詰め、とことんいたぶりつけますが、犯人もまた恐怖を知らない快楽殺人犯。快楽と憎悪の怪物の闘いです。

これを見て思ったのですが、やはり憎しみや復讐というのに綺麗な結末もないということです。今法的に死刑制度が、ある意味で復讐の代替的な役割を果たしています。しかしスヒョンは非合法的な復讐に燃えます。なぜなら自分の手で葬らなければ、気が済まないからです。そう、もはや恋人が云々ではなく、復讐という魔物に取り憑かれてしまった状態なんです。

最後は一番残酷な殺し方で復讐を遂げました。しかしスヒョンの慟哭でわかるように、単に相手を殺してしまえば、そこからはもはや「無」の世界なのです。何も返ってこない復讐の果ての世界。

イ・ビョンホンの演技も良かったですが、チェ・ミンシクの狂気的な演技が素晴らしかったです。

 

「ディパーテッド」

レオナルド・ディカプリオ マット・デイモン ジャック・ニコルソン主演 マーティン・スコセッシ監督作品

 

【あらすじ】

マサチューセッツ州ボストン南部。警察はこの街に蔓延る犯罪を一掃しようと、犯罪組織の大物コステロを何とか捕まえようとする。そのために警察はビリーを潜入させるが、コステロもまた警察にコリンを潜入させていた。

 

【感想】

オリジナルの「インファナルアフェア」のほうが哀愁があって格好良かったのですが、これはこれでなかなか良かった。ディカプリオ、マット・デイモンの演技はもちろん冴え渡っていたのですが、何よりも存在感を示していたのはジャック・ニコルソンでしたね。彼は何と言うか狂気ある悪役がピッタリで、コステロのあの狂ったような恐ろしさはさすがニコルソンと言った感想です。

 

author:トモヤムクン, category:-, 19:05
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